敗者復活
先日サリドマイドについて書いたばかりですが(コチラ),
先週こんなニュースが取り上げられました.
重篤な薬害により1962年に販売停止・回収措置となった
睡眠薬サリドマイドですが,
1990年代から,ある種の疾病に有効であることがわかってきました.
そしてそれらの疾病にはサリドマイド以外に有効な治療薬がなかったことから,
厳しい条件の下で使われ始めました.
日本での製造販売は禁止されていましたので,
医師は薬を海外から調達していたのですが,
日本の製薬会社が承認申請したというニュースです.
来年夏には承認されるそうで,まさに敗者復活です.
薬害を防ぐために,悲劇を繰り返さないために,
妊婦に対しては使用禁止としたうえで、女性については使用前に妊娠検査を義務づけ、さらに、使用者を登録制にするなどの「安全管理体制を確立する」
とのことです.
「薬を逆から読むとリスク.効果(作用)と危険性(副作用)は表裏一体」
何度も書いてきましたが,
サリドマイドは良い例ですね.
副作用のない薬は存在せず,
いつもbenefit(恩恵)とrisk(危険性)のバランスで判断するわけです.
サリドマイドは,
睡眠作用(恩恵) < 胎児奇形(危険性)で一度は消え去った薬ですが,
多発性骨髄腫治療(恩恵) > 胎児奇形(危険性)で復活したわけです.
『典子44歳いま、伝えたい』を白井さんのホームページ(コチラ)で発注したら,
サイン本が届けられました.
字がお上手ですね.
「ミミズがのたうちまわったような」とか,
「日本語の筆記体」とか言われているワタシは恥ずかしいです……
サリドマイドが再び用いられるようになった状況は,
典子さんにとっては複雑だと思います.
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コメント
薬は使い方ですよね
でも、
被害にあってしまったかたは複雑だと思います
害のない薬ができたらいいのにね
投稿: bakeneko | 2006年8月13日 (日曜日) 16:34
>bakenekoさん
本当にそう思います.
薬害は二度と起こしてはならないと思います.
投稿: Ginkgo | 2006年8月13日 (日曜日) 17:44
県税事務所に行って、たまたま声をかけた人が脳性マヒっぽい人でした。手から、身体から震えていました。
字を書かなければいけないので、大丈夫かしら?私が書こうか・・・なんて思ってましたら、ちゃんと手を机に固定して、それは綺麗に書いてくださいました。
私ってば、なんて失礼なことを思ってしまったのかしら・・・。と、心の中で誤りました。
投稿: 茶菜子 | 2006年8月13日 (日曜日) 22:41
「表裏一体」という言葉を思い出したしましたわ。
薬は使い方によっては善にでも悪にでもなる
ということですのね。 むずかしいことに。
医学の進歩の陰に薬有り。
こういう難しい世界に身をおいて
日々過ごしていらっしゃる
Ginkgoさまを応援させていただきたく存じます。
投稿: dekako | 2006年8月13日 (日曜日) 23:26
>茶菜子さん
「人は見かけで判断してはいけない」と
何度も経験しましたが、
難しいですよね、やっぱり。
字がきれいな方は心もきれい。
字が汚いワタシは……(笑)
>dekakoさん
あまり大きな声では言えませんが、
医師って意外と薬のことを知らないんですよ。
医師が使い方を間違えたおかげで
消えていってしまった良い薬も
いくつかあります。
とても残念なことです。
投稿: Ginkgo | 2006年8月14日 (月曜日) 08:05